![#あたらしいふるさと小包[お取り寄せできる沼津のいいもの][vol.2 いせや本店の和菓子]](https://numazu.link/numadmin/wp-content/uploads/2019/01/6E682973-50AB-4E44-85C9-12EA2170D9E2.jpg)
沼津から離れていても楽しめる、お取り寄せ可能な沼津の”ちょっといいもの”を紹介する連載「#あたらしいふるさと小包」。
第2回にご紹介するのは、沼津の老舗菓子舗「いせや本店」の和菓子です。
「いせや本店」は、東京・日本橋の伊勢屋(〇の中心に米と書く)より暖簾を分け、王子区上十条で初代店主が開業し、その後沼津の地へ移転。以降80年以上、4代にわたって沼津の和菓子舗として年月を重ねてきました。
代表する菓子は「平作もなか」。沼津御用邸で限定販売されている「くぎかくしさがし」など、皇室ゆかりの和菓子も製作しています。
現在、公式オンラインショップではもなか菓子をはじめとする4銘柄を購入することができ、ご贈答用にのしを添えての注文も可能です。
今回はラインナップから2つの商品をご紹介します。
TABERU COFFEE・珈琲最中
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「TABERU COFFEE・珈琲最中」は、かつては抹茶とともに食された和菓子と、舶来品であった珈琲を融合させた一品。
「ギフトパッケージ」は瓶詰めの餡とコーヒーのテイクアウトカップを模した最中の皮が3つ入ったセット。
自分で最中に餡を詰めるという「体験」が、食べる楽しさをより膨らませてくれます。
(すでに餡が詰められた「単品パッケージ」も販売されています)
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甘さ控えめ、軽さを残しつつも密度高く仕上げられた最中の皮は、東京の三軒茶屋を中心に店舗を構える「OBSCURA COFFEE ROASTERS」がセレクトしたコーヒー豆をブレンドしており、ふわっと香るコーヒーの香りが皮本来の香ばしさに新しい風味を与えています。
そして餡に使われているのは、北海道産の白小豆、そしてマスカルポーネチーズ。
豆だけではないこくのある味とやさしい甘さが、ビターな皮にマッチします。
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コーヒーと和菓子の不思議な融合によって生まれたこの和菓子は、AGFの「珈琲♡和菓子アワード2017」にて170を越える和菓子の中から大賞に選ばれるなど、高い評価を得ています。
素材の選定から作り方まで、数々のこだわりが詰まったこの小さなお菓子の誕生ストーリーは、「TABERU COFFEE 珈琲最中」の特設サイトでも詳しく紹介されています。こちらもぜひチェックしてみてください。
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今回ご紹介した「ギフトパッケージ」は皮にくらべて餡が多めに入っているため、カスタマイズする楽しさが体験できるのも特徴のひとつ。
いせやの公式インスタグラムアカウントでも、パンやパンケーキのディップとして使ったり、アイスと一緒にいただくなど、最中の餡を使った新しい食べ方の提案を行っています。
素六撰
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明治維新をきっかけに沼津に移住し、沼津兵学校の創設など教育に尽くす一方で、西洋式牧畜による乳製品や羊毛の生産や、日本茶を栽培しての輸出事業を興すなど、起業家としても知られた偉人、江原素六。
彼の名を冠したお菓子「素六撰」は、細長いスティック型のそばぼうろ。
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そばぼうろといえば丸や花型に仕上げられたものが多い印象ですが、「素六撰」はハードな食感はそのままに、食べやすいフィンガービスケットの様な形に仕上げられています。
ひとくちで広がる香ばしいそば粉の風味の中に、しっかりと感じられる甘さ。
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先述の「珈琲最中」の餡とクリームチーズをディップとして添えてみました。
チーズの酸味と餡の甘さ、素六撰の香ばしさが相まって立派なデザートに。
ときにはちょっと冒険する楽しみができるのも、お店がオフィシャルで幅広いお菓子の楽しみ方を提案しているからこそかもしれません。
素六撰のほかにも、お店で取り扱うお菓子には沼津にまつわるストーリーが色濃く反映されているものが数多くあります。
新しさを追求するだけでなく、歴史を重んじるということも、長い歴史を持つお店のひとつの使命なのかもしれません。
お菓子がつくる「コミュニケーション」の新たなかたち
いせやの企業理念に、
“Confectionary-Communication”(コンフェクショナリー・コミュニケーション)
という言葉があります。
この言葉には「人と人とが集う時、お菓子を介して、豊かなコミュニケーションの場が生まれたら」という願いが込められています。
弊店デザインについて写真とともにご紹介しましたが、そのブルー×ホワイトのデザインの中に、よく見ると「CCCC」という字列があります。これは祖父・健四郎が考案し使用していたロゴで、いせや本店の建物外看板にも刻まれています。
当時のロゴ、と言っても、Cが4つ、四角を描くように並んでいるのは少し変わっていますし、よくわからないですよね。でも、Cが2つなら…話は簡単です。
「Confectionary-Communication」略して「CC」。
4代目店主である居山哲也さんは、いせやの和菓子にはすべて「物語」が存在しており、その物語を伝えていくことに情熱を燃やしています。
「ストーリーテリング」、すなわち物語を伝えることは「コミュニケーション」の大切なキーワードの一つ。
沼津の歴史や文化も、お菓子の中でひろがる「物語」の重要なピースとなっているのです。
「コミュニケーション」への熱い思いは、和菓子たちを紹介するウェブサイトのデザインにも表れています。
華美な装飾はせず、お菓子をシンプルに俯瞰からとらえたビジュアルが、商品そのものが持つ世界観を強く引き立てています。
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茶道の世界では、茶器や茶室に飾られた書や花を愛でるように、供された茶菓子を目で楽しみ、味わう時間があります。
「お菓子を介したコミュニケーション」は、古くから存在していたとも言えるでしょう。
いせやが提案する、従来のイメージとは違うルックスや味、食べる人がさらに一手間を加えるという提案が込められた和菓子たちには、新しい時代の「お菓子を介したコミュニケーション」というものを感じます。
先のブログの続きで「ロゴの”C4つ”の真意は分からない」と綴っている居山さん。
今回いせやのお菓子に触れて、ひとつ仮説を思いつきました。
“Creative Company of Confectionary-Communication”
(お菓子を通してコミュニケーションを生み出す企業)
「コミュニケーションを生み出すツール」としての和菓子。
素材を提供する人と作る人、販売する人と食べる人、贈る人と贈られる人、それぞれに生まれるやりとり。
片方だけがコントロールすることは決してできない、双方がいるからこそ広がっていくそのやりとりから、また新たな発見や驚きが生まれていくことでしょう。
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いせや本店のプロダクトはこちらからもご覧いただけます
東京でも買えるポップアップショップ「いせやの日」
通常はオンラインと実店舗での取り扱いとなるお菓子たちですが、珈琲最中でもコラボレートしている東京の「OBSCURA COFFEE ROASTERS」では、月に一度、第一土曜日にいせやのお菓子を購入することができます。その名も「いせやの日」。
この日はオンラインでは取扱のない商品も含め、月によってセレクトされたお菓子が店頭に並び、「コーヒーと和菓子のペアリング」体験として、それぞれのお菓子に合うコーヒーをストーリーとともに提供してくれるそう。
次回は2月2日(土)に開催予定。なかなかお店を訪れることができない方も、お店とはまた違う体験を楽しみたい方も、この機会をお見逃しなく。
前回のお知らせより。詳しくはOBSCURA COFFEE ROASTERのインスタでチェックを。