住めば田舎、離れたら都?生まれ育った「沼津」という街に寄せて

住めば田舎、離れたら都?[生まれ育った「沼津」という街に寄せて]

こんにちは、zoomin’(ずーみん)といいます。
静岡県の沼津市に特化した、「ガイドマップ連動版ウェブメディア」として numazu.link をスタートします。

実はこのサイトの構想は、5年以上あたためてきたもので、いろいろな人に話をしていました。(最初のプログラムの作成日は2012年5月ですね。かれこれ6年越し…)
ついに…ついに…といった心境です。

構想を思いついた時は実現できる知識もなく、「こんなこと思いついたけど、いつできるのか…」という感じでしたが、周りのクリエイターさんに相談したり、自分でも勉強して、やっとローンチできるまでの形になりました。
仕事以外でこんなに一つのことに長く打ち込んだこともあまりないので、今とても感慨深いです。

「旅行することと、住むことは違う」という声

あるとき、以前旅行した台北の話を友人としていて、 その時にわたしが「海外とか住んでみたいなぁ。でも旅行と住むのは違うよね」と話したことがありました。
旅行でちょっと訪れただけでは分からない、その土地がもつウィークやハードル、人の印象…
いとおしく感じた「街の手触り」は、住むことによって変わるのだろう、と。

沼津ではどうだろう?と考えてみました。
わたしは沼津を離れ、東京にも40分ほどで足を伸ばせる距離の街に暮らしていますが、離れた今、沼津には「何もないとも言えるし、退屈かもしれないけれど、都会にない誇れるものが確かにある」と思います。

都会からの距離と時間のおかげで、入ってくるものはある程度「長く愛されるもの」としてキュレーションされているように感じます(いっとき話題になっても、その街の人に愛されなければ、すぐになくなってしまいますから)。

「故郷は、遠きにありて思うもの」と言ってしまえばそれまでかもしれませんが、沼津への愛着は、年ごとに強くなっていると思います。

遠きにありてなお「沼津」をより楽しむために

生まれてから18歳で出るまで住んでいた「沼津」という街。
おそらくわたしが中学のころまでは、西武や丸井などの百貨店が駅前に軒を連ね、映画館やボウリング場などのプレイスポットや商店街も賑わっていて、周りの地域の人たちも「遊びに行く場所」という印象がありました。
しかし、近年では駅前の百貨店は軒並み閉店の道をたどり、商店街のシャッターも降りている場所が多くなりました。
沼津の土地は知られていても、観光の中枢は沼津港周辺であり、住民にとっての「お出かけの行き先」は少し違う場所になったのかもしれません。

そんな地元の状況を悲観して、盛り上げるためにサイトを作ったのか?
それは少し違うような気がしています。

山や海に囲まれ、都会に比べたらなにも無いけれど、遅くても2時間半あれば情報のある都心に出られる。
地震はたまに気になるけれど、雪はほぼ降らず、常に温暖。
スキューバや山登り、カヤックなど、アウトドアアクティビティも楽しめる。
近年ではアニメの舞台に選ばれるなど、二次元カルチャーからの話題もある。

住んでいる人もいない人も、今の沼津にきっとおもしろく感じられることがそれぞれあるんじゃないか?
もしかしたら今だけじゃなくて、昔のすがたにも「惜しむ」形ではないおもしろさがあるんじゃないか?
それを住む人、訪れる人にも聞いてみたい。という気持ちがわいてきました。

旅行する人のためだけでなく、住む人もゆるくつながることのできるコミュニティとして、このサイトが役に立ってくれたら、と思います。

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